(2017/3/11:最下部に追記しました。)
こんにちは。Wind Band Press梅本です。
先日JASRAC中国支部さんに取材に行った際にこんな話になりました。
「商用サイトにYouTubeの動画を埋め込む場合はJASRACの許諾が必要である」
えっ。マジですか。
みたいな。
もう少し詳しく聞いてみると、ブログだろうがなんだろうが、個人だろうが法人だろうがは関係なく、
商用か非商用かで許諾必用の有無が分かれる
ということでした。
個人のブログでもGoogleアドセンスとかアフィリエイトとかの広告を貼っていて、広告収入がある、またはそれを目的としている場合、YouTube動画の埋め込みを行うのであればJASRACに許諾を得る手続きが必要です。
個人か法人かは関係ないぜ
ということですね。
僕の場合(Wind Band Pressの場合)はほとんど外国作品で、その音楽の著作者から「自由に使っていいぜ!」と言われていたのでバンバン使ってたんですが、
恥ずかしながら、そんなルールがあるとは全く知らず。
(というかおとがめもなく)
知らないもんだからビックリしましたけど。
ということで今では無事に許諾もおりて清らかな運営が出来るようになったので
少しまとめてみようと思います。
まず、ケースバイケースであろうということ、
場合によってはお金がかかるということ、
納得しないままお金を払うのも気持ちが悪いということで、
「自分のサイトはどうなんだろう?」
と思ったら問い合わせしてみましょう。
この場合のJASRACさんの窓口は
送信部ネットワーク課
というところになります。
JASARCの問い合わせフォームから「ご担当者様」あてでお問い合わせすれば、
ここから回答が返ってくると思いますのでお問い合わせしてみてください。
僕の場合は下記のような感じで問答を繰り返しましたのでざっくりとまとめてみます。
ご参考になれば。(実際にはこんな無茶苦茶なやり取りじゃなくて紳士的にやってますし変な関西弁じゃないです)
梅本:著作者から「YouTubeの動画を自由に使っていい」と言われて埋め込みを行っていますがこの場合もJASARCさんに手続きが必要なんですか。広告収入を目的とした商用サイトにはなるのですが、赤字なんですけど。大赤字なんですけど。ぶっちゃけお金払いたくない。承諾は得てるしの。
↓
J:JASRACの管理楽曲をサイトで利用する場合は「インタラクティブ配信」に関する利用許諾の手続きをしないといけないし、お金も払ってくださいね。
動画をアップロードした方から承諾を得ていたとしても、動画の中で JASRACの管理楽曲が使われているんだったら、承諾の有無は関係あらへんのやで。
手続きはJ-TAKTってところからできるで。3ヶ月にいっぺん利用報告をせなあかんで。
↓
梅本:マジですか。わやじゃないですか。海外の楽曲が多いんだけどそれも公演の時とかと同じようにJASRACさんで手続きできるんですか?あと食い下がりますけど著作者本人が良いって言ってんだからいいんじゃないっすか?アカンのか。
↓
J:海外の管理団体と提携しているので海外作品もJASRACでOKや。んでもって食い下がってきた分やけども、JASRACは楽曲の権利を預かって管理しとるところやんな。権利を預かった分については、権利を預けた人じゃなくてJASRACが著作権者となるわけや。(注:著作権には色々あり、譲渡できる権利と出来ない権利があります。この場合は委託譲渡できる権利の話です)
どうや。
↓
梅本:なるほど。なんとなく釈然とせんけど、まあとりあえずそういうルールならしょんないわ。
ここで、解釈は間違っているんですが、(著作者からすれば当然だけどそうじゃない側からすると意味わかんないの)分かりやすくするために色々と考えました。
JASRACはYouTubeと契約していて、YouTubeで再生された楽曲の分の使用料をすでに著作者に分配している。
↓
そのYouTubeの動画を埋め込んだサイトからもお金を取るのがなんかよくわからない。
↓
確かにYouTubeのコンテンツを使ってPV(ページビュー)が発生するわけで、それすなわち広告収益に直結する。いわば他人のふんどしでなんとやら。
↓
だったらYouTubeに「動画使わせてくれサンキュー代」を払うのはまあわかる。
↓
それ(徴収)をYouTubeに代行してJASRACがやってる。ああ、なるほどな。わかったわかった。つながった。
まあ実際全然これ分かってないんですけど(YouTube使用料じゃなくてあくまでも楽曲使用料なので)、とりあえずこの感覚でGOです。
てことで教えて頂いたJ-TAKTってところから許諾を得る手続き開始。
サイト上に色々な項目があるので必要な項目を記載したりチェックを入れたりしていきます。
YouTubeのゆの字もないのでわけがわかりませんが、やってないこと(例えば再生回数に応じてユーザーから金を取ってるとか)はやってないとチェックを入れておけば問題ないかと。
ネットですべての手続きが出来るわけではなくて、最終的には契約書のPDFを印刷して、署名・捺印のうえ、JASRACに郵送します。
また、場合によっては媒体資料のようなものの提出も必要です。これはオンラインで出来ます。
Wind Band Pressは媒体資料を作っていたのでサクッと終わりました。
J-TAKTの登録が終わった後、何か確認事項があればJASRACから連絡が来ます。(僕は来ました)
ちなみに上でも少し書きましたが3ヶ月ごとに収益報告と、使用楽曲の報告が必要です。使用楽曲の報告データは、月ごとにまとめます。
使用楽曲についてはJ-WIDでJASRAC管理楽曲かどうか調べるのですが、特に海外の作品の新作についてはまだJ-WIDに登録されていないものが多いです。
その場合も、楽曲使用報告書に記載します。(JASRACの管理コード未記入で提出します)。
収益報告については、テンプレートがあるのでそれに記入して印刷します。
この時に収益の根拠となるもの(例えば発行した領収書やGoogleアドセンスの管理画面から印刷できる支払い履歴など)も同封して送ります。
楽曲の使用報告はウェブで出来ます。(エクセルでまとめてタブ区切りのテキストファイルに変換する必要があります)
その後もJASRACの担当の方と何度もやりとりをしたのですが、僕の場合(基本的にそうですが)、月間の広告収益の2.1%をJASRACに払います。
ただし最低月額料金が5,000円なので、収益から算定した請求額が5,000円以下の場合、5,000円を支払います。
実際にはこの色々なやり取りを終えた後、許諾番号と許諾マークがメールで送られてくるので、その許諾番号を使って収益報告も楽曲報告も行います。
(つまり初回は許諾番号が送られて来るまで報告出来ません)
ちなみにWind Band Pressもそうですがブログなどで記事に動画を埋め込んでいると、わざわざ記事を消すこともないのでずっと残り続けますよね。
この場合、月ごとにまとめる楽曲使用報告データには、例えば1月に使用した楽曲は2月のデータにも記載しなければいけません。
月を追うごとに、新しく使用した楽曲があればつぎ足していく感じですね。
以上、ざっくりですが僕も知らなくて急いで手続きをしたので、まとめてみました。
ポイント
・個人か法人ではなく商用か非商用(収益を目的としているかしていないか)で分かれる。
・商用の場合はブログだろうがなんだろうが音楽を含むYouTube動画を埋め込む場合は許諾の手続きが必要。(ちなみにJASRACが提携しているのはYouTubeだけではなくニコニコ動画なども含まれます)
・商用の場合は、許諾とは別に、収益に応じて楽曲使用料の支払いが必要。
こんなところです。
黙っていれば何も言われないかもしれませんが、
後からどえらい額を民事請求される可能性もあるので、
ブログに広告を貼っていて音楽を含む動画(YouTubeに限らず)を埋め込んでいる方は、
ケースバイケースだと思うので「自分こんな感じなんですけど」
という感じでJASRACに問い合わせて、
クリアな状態で運営するようにしたほうがよろしいかと思います。
追記:
許諾された時には、JASRACのマークの画像データが送られてきます。
それと許諾番号を、合わせてサイトのトップページに表示させる必要があります。
Wind Band Pressのサイトのトップページを見て頂けると、
最下部にマークと許諾番号が載っているのが分かると思うので、
ご参考までに。