吹奏楽・管打楽器のウェブメディアWind Band Pressの裏話

吹奏楽・管打楽器のウェブメディアWind Band Pressの編集長、梅本がたまに裏話なんかを書くブログ。

部費だけじゃ足りない!そんなときは父母会やOB会を頼ってみよう

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こんにちは!

Wind Band Press編集長/ONSAの梅本です。


先日、部費と楽譜購入についてのお話しを見る機会がありました。

やっぱり吹奏楽(だけじゃないでしょうけど)は何かとお金がかかります。楽器に関わること(本体の購入、レンタル、修理など)、消耗品、備品、ホール代や外部練習場の費用、外部指導者へのギャラ、そして楽譜やCDなどです。

ここでお金が足りないと、「楽譜は他校から借りてコピーするか・・・」となってしまいがちなのかもしれません。これについてはWind Band Pressでも記事を書いていますが、違法になる可能性があります。刑事罰もあります。

【インタビュー】音楽著作権について学ぼう~特に吹奏楽部/団に関係が深いと思われる点についてJASRACさんに聞いてみました - 吹奏楽・管楽器・打楽器・クラシック音楽のWebメディア Wind Band Press

 


そこで「じゃあどうやって足りない部費を補填すればいいか」ということを考えないといけないのですが、方法としては「月々の部費を上げる」「自力で稼ぐ」「支援を受ける」の3択になるかと思います。

 

■月々の部費を上げる

部費を上げると家計をその分圧迫するので家庭によっては「もうそんな部活やめなさい」という話になり家族関係の悪化が懸念されるのであまりやりたくないですね。公立学校の場合は部費の上限が決まっているところも多いかなと思います。

ただし父母会の援助という手はあります。これについては後述します。


■自力で稼ぐ

やり方は色々あります。一番シンプルなのは「依頼演奏を受けるための営業をする」ですかね。ただこのご時世だとちょっとむずかしいかもしれません。

You Tubeチャンネルを収益化する」という手もあります。演奏が上手なバンドではなくても、日々の悩みなどを部員同士で話すような内容でもいいかもしれません。全国の部活動で同じような悩みを抱えている人たちが多く見てくれれば、収益化も見込めるかもしれませんね。ただ留意事項があるとすれば、「団体としてのチャンネルで音楽作品を扱う場合はJASRACに申請が必要」なことと、「顔出しすると変態にマークされる可能性がある」というようなところでしょうか。顔出しは要注意ですね。

音楽の配信については下記の記事に少しまとめているので読んでみてください。

【許諾が必要な場合も】演奏会の動画配信やアップロードに必要な著作権の手続きなどについてJASRACに確認してみました - 吹奏楽・管楽器・打楽器・クラシック音楽のWebメディア Wind Band Press

 

他には「過去音源からCDを作って売る」とかも考えられますが、最初に制作資金が必要なので、部費が足りていないバンドにはちょっと現実的ではないかなと思います(売れるとも限らないし)。

上記はどれも、特に公立学校の場合は学校の許可が必要かなと思うので、その辺りは学校側に事前確認をしましょう。


■支援を受ける

僕が大学のときの部活は、月の部費が2,000円でしたが、それに加えて演奏会の度に数万円とか徴収するシステムでした。しかし大学生というのも何かとお金がかかるもので、部費の滞納も増えていきます。

そこで大学そのもののOB団体であったり、部活のOB会であったり、そういうところから支援を受けたりしていたようです。(依頼演奏もバンバンやってましたけど)

OB会については良い事例の記事があるのでぜひ参考にしてみてください。

現役生の自主運営を尊重し、部活動が楽しく充実したものになるように。千葉県立長生高校吹奏楽部OB会の取り組み - 吹奏楽・管楽器・打楽器・クラシック音楽のWebメディア Wind Band Press

 

OB会がないという学校の場合、まずはOB会を発足させることから始めないといけません。先生にお願いするか、先生がどのOBとも接点がない場合(異動してきたばかりとか)は現役生からOBに相談するとか、そんな感じで始めていくとよいのではないでしょうか。

これと同様に、「父母会」という組織があるバンドもあります。文字通り部員の父母(保護者)による会ですね。これが名ばかりになっているところもあれば、父母会そのものがないというバンドもあると思いますが、子供が部活動でどんなことをしているのか、どんな先生から指導を受けているのか、どんなことで悩んでいるのか、というのは親としては凄く気になることです。

そういった情報を共有するという目的がメインになると思いますが、部員が部活動に打ち込みやすくする環境づくりは大事です。

そのうえで、部活の金銭的な事情についても共有し、部費とは別に目的に応じて支援をお願いするのはありかなと思います。支援をお願いする前に、顧問の先生と父母会に参加している保護者との間に信頼関係を築く必要があるので、ここは先生の頑張り次第かなという気がします。

もちろん生徒も保護者と日頃から意思疎通をはかるようにしておいたほうが、話はスムーズになるでしょう(その辺り難しいお年頃かとは思いますが)。

家庭によってお金の状況やその他諸々の状況が違うので、無理に父母会に参加させるようなことはしないようにしましょう。あくまでも任意の団体として存在するのがベターだと思います。

なお、顧問の先生が「ブラック反対!定時で帰るし休日出勤もしません!」という人の場合は、父母会については父母会を結成できても支援を受けるのは難しいかもしれませんね。

活動の様子をプリント1枚で伝えたりすることは可能かもしれませんが、保護者が求めているのはそれじゃない感があります。プリントもないよりは良いですが、先生から直接話しを聞きたいんじゃないかな。なのでこれは顧問の先生の考えも尊重して、父母会結成に向けて動くかどうかを決めてください。先生もプライベートな時間がないというのは相当キツイと思います・・・

他には、依頼演奏にも通じるところですが、部活の昔のOBがどこかの企業の社長になっていたり、自営業で稼いでいたりすることもまれにあるので、そういうOBに相談するのも良いかもしれません。

OB会や父母会について留意しておきたいのは、必ずしもすべてのOBが母校の部活を好きなわけではないし、必ずしもすべての保護者が生徒の部活動への参加を支持しているわけではないということです。

支援を頂く場合はまず活動に対して理解を得られるようにし、また、各会の内部で支援参加への強制が行われないように注意しなければならないかなと思います。

これについても特に公立学校の場合は支援を受けること自体が学校からNGが出る場合もあると思うので、学校側に事前確認をしましょう。

 

今日はちょっとシビアなお金の話でしたが、お金の面だけでなくても、うまくやればOB会も父母会も心強い存在になります(うまくやればね)。

いまは活動そのものが出来ない部活も多いと思うので、この機会に「部費のやりくり問題」について先生と生徒が一丸となって思案してみるのもまた良いのではないでしょうか。