吹奏楽・管打楽器のウェブメディアWind Band Pressの裏話

吹奏楽・管打楽器のウェブメディアWind Band Pressの編集長、梅本がたまに裏話なんかを書くブログ。

過去をただの過去にしないために(2022/5/13メルマガバックナンバー)




こんにちは!

Wind Band Pressの梅本です。


言いたいことをメルマガで言ってしまっていることが多いので、バックナンバーをしばらくやっていこうかと思います。

今日は2022/5/13のメルマガバックナンバーです。


-----------

今日は「やりきる」というお話をしたいと思います。

最終的に件名の「過去をただの過去にしないために」というお話につながっていきますよ。


僕は新卒で入った会社がコピー機などの法人営業をしている会社で、僕は主にコピー機の法人営業をしていたのですが、「即戦力」という言葉が流行った時代で、今で言うとOJTというんでしょうか、特に研修らしい研修があるわけではなくいきなり現場、という会社でした。


自分で片っ端から中小零細の会社に電話をかけ、社長さんにアポをとって、自分でコピー機を売り込みにいくという仕事です。

原則として、「営業は1回で、その場でリース契約書を書いてもらえ」という方針だったので、「後日また・・・」ということは許されませんでした。


たまにアポイント専門のパートさんが取ったアポイントが回ってきて、「ここに行ってきて」となることもあります。


そのパターンのアポが回ってきて、相手と話したこともない状態で、どこか工場のような会社の事務所に行ったことがあります。

コピー機が欲しいという話だったのですが、相手が社長さんでなかったこともあって受注に至らず、その会社を失礼してから上司に連絡を入れました。

「すみません、失注しました」

すると上司から

「わかった。で、おまえは『やりきった』のか?」

と返ってきました。

このとき僕は「やりきった」の意味がわかりませんでした。一瞬考えて、「受注=やりきった」という意味かと思いました。成果を出すのが「やりきる」ことだと思ったのです。

なので、

「いえ、やりきってないです」

と答えました。

そうしたら、

「ふざけんなよおまえ。やりきってないならもう一度行け!やりきれ!」

とめちゃめちゃ怒られました。

半べそをかきながら再度会社に行き、

担当者の方に

「すみません、もう一度お話を聞いて頂けませんか」

と言ったのですが、今度は担当者の方に怒られました。

「今は要らないって言ったでしょ!何度も来ないでよ!もう来るな!」

別の半べそをかきながらまた上司に電話をします。

僕「すみません、もう来るなと言われて話が出来ませんでした」

上司「やりきったのかよ」

僕「受注してないです」

上司「そうじゃなくて、やりきったのかよ」

僕「(意味がわからんな)・・・やりきったっていうのはどういう・・・」

上司「もういい、おまえ一回帰ってこい!」

ガチャ切りされました。

そしてトボトボと会社に戻り、上司に話を聞きました。


上司は僕がその会社で唯一尊敬している上司だったのですが、彼によると、

「受注したかどうかは関係ない。おまえが全力を出し切って、これ以上提案することはないってところまで行けたのか、それが『やりきる』ってことなんだよ。で、おまえは今日『やりきった』のか?」

そういう意味だったのかと。

僕は提案自体はこれ以上何も言えないところまでやっていたので、

「やりきりました」

と答えます。

すると上司は

「だったら良いんだよ。俺はおまえにやりきって欲しいんだよ。受注するかどうかはいろんな事情もあるからダメなときもある。でも結果よりも、自分がやりきったかどうかが大事なわけ。意味わかる?お疲れさん!」

と言って、一件落着です。


あれからもう20年くらい経ちましたが、僕は未だにこの教えを守っていて、常に「やりきったか?」と自問しています。


僕はまだ40くらいの若造なので、「人生とは」を語るようなことは出来ませんが、振り返ってみれば僕の過去は後悔ばかりです。

「あのときああしていれば良かった」

そんなことがたくさんあります。


だから今日をやりきるんです。

出来ることを出来る範囲で精一杯やりきる。

これ以上できない、やれることはやった、と、結果がうまくいかなくてもやりきる。

自分の中で「やりきって」いれば、その過去も「良い過去」になります。

なんの悔いもない。

 

最近は国内外のコンクールの情報も手に入りやすいですので、日本の吹奏楽コンクールに限らず、ソロコンテストや作曲賞などいろいろなコンテストに出ることもあると思います。

その時に、「1位になれたか」「金賞を取れたか」ということよりも、

「やりきったかどうか」

を重視してほしいなと思います。

出来る範囲で精一杯やればいいだけなので、他の人と比べる必要もないし、うまくいく必要もないです。

「やりきった毎日」の積み上げが、明日への自信や希望になるんじゃないかなと思います。


夜が明ければ朝が来て、また新しい一日が始まります。

人生でやりたいことすべてをやるのは無理です。

やりたいことに対して可処分時間が足りないからです。

だからこそ毎日をやりきる。

人生にやり残しがあっても、毎日をやりきる。

後悔のない日々を送るためにはこれしかありません。

過去を「後悔ばかりの過去」から「良い過去」に変えたほうが毎日が楽しくなるでしょう。


うまくいかない日があるのは当然です。

一人で生きているわけではないですから。

環境や事情というものがあります。


それでも「やりきって」いれば、「さ、次いってみよう」と新たなスタートを切ることができるでしょう。


皆さんの今日が「やりきった」今日になりますように。

-----------

以上、メルマガバックナンバーでした。

Wind Band Pressのメルマガの登録はこちらから。

Wind Band Press新メルマガ購読申し込みページ - 吹奏楽・管楽器・打楽器・クラシック音楽のWebメディア Wind Band Press

 

仕事に関係あることないこと色々語ったり語らなかったりします(あいまい)。


では良い週末を!