こんにちは!
Wind Band Pressの梅本です。
最近はこのブログも告知くらいしかしていなかったのですが、「裏話」のブログですので、今日は「演奏会情報提供受付再開についての裏話」というタイトルで、少しこれについてお話してみようと思います。
演奏会情報の提供受付と、それにともなう演奏会記事の作成は、Wind Band Pressを始めた頃(2016年)から継続してきていましたが、2024年の7-8月ころに一旦すべての受付を停止しました。
まずこれについてお話をしたいと思います。きっかけは大きく2つありました。
ひとつは、招聘会社(プロモーター)と呼ばれる企業からの情報提供があり、それを掲載したところ、キャッチコピーが不適切であるというご意見をいただいたことです。
このキャッチコピーは招聘会社が用意したものですが、ざっくりと言うと、掲載にあたってはWind Band Pressに責任がある、いかがなものか、というご意見です。
当該のキャッチコピーは招聘会社から提供されたチラシ画像に印刷されていたもので、結果的に画像を削除することとなりました。招聘会社には「こういうご意見を頂いているので差し替えをお願いしたい」と連絡をし、先方も「すぐに対応する」というお話だったのですが、それ以降連絡がありませんので、未だに画像なしのままです。
この件については、読者の方のおっしゃるとおりで、掲載の判断は僕なので、掲載については僕に問題があったということです。これはおおいに落ち込みました。
もうひとつは、これは常々感じていたことですが、企業やホールの広報担当者か、アマチュアバンドの広報担当者かを問わず、演奏会の広報担当者の方がどこまで本気で集客について考えていらっしゃるのか、わからなかったことです。
提供される情報を見るたびに、「これでお客さんが来るんだろうか」と思っていました。とはいえ、必要最低限の情報はあったので、「これで良いんですか?」と聞くこともしていませんでしたし、稀に「もう少しこのあたりの情報をいただけませんか」とお願いしても、返信がなく、演奏会記事を作れないまま流れてしまうことがほとんどでした。
そこでフォームの入力項目を細かくし、入力項目に沿って入力をしていただければ、それなりに情報のしっかりした記事が出来上がるようにしてみたのですが、それでもやはり情報を受け取るたびに「これだけの情報で本当に集客できると考えているのだろうか?」と疑問に思っていました。
もちろん広報担当者の皆さんは、「一人でも多くの方に来ていただきたい」と思うから情報提供をするし、他のコンサートガイドサイトなどにも情報を送っているんだと思います。
ただ、その「一人でも多くの方に来ていただきたい」、つまり「一人でも多くの方に動いてもらう」ということについて、どこまで深く考えているのか、そこに引っかかりがありました。
たった一人でも、その人の時間を自分たちの公演のために割いてもらい、会場まで来て頂くことは、並大抵のことでは叶いません。そのことをわかっているのかどうか。どれだけの熱意を持って広報の仕事をなさっているのか。それがわからなかったのです。
大きく分けて、
・自分の掲載判断が甘すぎたのではないか?
・本当にこの情報を掲載することで集客につながるのか?
この2点の引っかかりが合わさったときに、僕の心が折れてしまいました。
「もう僕はこれ以上のことは出来ない、役に立たない」と思ったのです。
ほかにも、Golden Hearts PublicationsやWBP Plus!といった出版、小売事業が忙しく、Wind Band Pressに取れる時間がほとんどなくなってきていたことも影響していました。
その後、以前にも情報提供をしていただいていたいくつかの団体の方から、「もうやらないんですか、記事を作ってくれませんか」というようなお問い合わせを受けていましたが、すべてお断りをしていました。
もう僕は演奏会の宣伝に関わりたくないと思っていたのです。関わるべきではないとさえ思っていました。
人の考えというのは、日々の経験によって変わっていくものです。変わらないものもありますが、変わるもののほうが多いでしょう。大きな部分では変わっていなくても、細部は頻繁に変わっているということもあります。変わっていなければ成長していないということでもあると思うので、僕としては考えが変わることは正常なことであると思っています。
演奏会情報の提供受付を再開しよう、また演奏会記事を作成していこうと考え、再開したのが2024年10月6日、日曜日です。
受付を停止してから2ヶ月間、様々なことがありました。
ある演奏会に行ったあと、その演奏会についてSNSを検索していたら非常に好意的な反応をしている方がいらっしゃったことも影響しましたし、あらためて「Wind Band Pressってなんだ?」「なんのためにやっているんだ?」と考え続けていたことも影響しています。
Wind Band Pressだけでなく僕個人として様々な事業を通じてやりたいことは色々あるのですが、ひとまず現状のWind Band Pressについては、あらためて過去の自分が書いたこのページを読んでみました。
思えば、「自分が学生時代にこんなサイトがあればよかったのになあ」というところからWind Band Pressは始まっています。
僕は大学時代、演奏会(自主公演)の運営の責任者のような仕事をしていましたが、広報の仕事も掛け持ちしていました。特に地方公演は足で稼ぐというような側面があり、数日間の弾丸出張で多くの学校や市民楽団にお邪魔させていただき公演の宣伝のためにお話をする機会をいただいたり、地域のホールや楽器店を周ってチラシを置かせていただいたものです。
今の時代は便利です。便利すぎて随分と広報もカジュアルになった印象があります。便利になったことをとやかくいうつもりはなく、むしろこの便利な時代に沿った広報を展開していくべきだろうと考えます。
そのようなことがあり、相変わらず作業スケジュールの都合上、昔のような情報サイトに戻れませんし、戻ろうとも思っていませんが、「演奏会情報はあったほうが関係者も非関係者も別け隔てなく、誰かの役に立つ」「演奏会情報は載せるべきだ」と思い直し、今回、2ヶ月ほどの停止期間を経て、あらためて演奏会情報の受付を再開した、という経緯です。
もちろん無許諾でSNSなどから演奏会情報を拾ってくるようなことは、今までどおりするつもりがありませんので、情報提供をしていただいた公演やプレスリリースサイトから周ってきた公演に限っての記事作成にはなりますが、少しでもお役に立てればと思います。
再始動をするにあたって、フォームも少し調整をしましたし、フォームがあるページにも記載をしましたが、作業スケジュールの都合上、記事作成までにお時間を頂く場合があります。また、特に危険なのはキャッチコピーや「Wind Band Press読者へのメッセージ」欄ですが、文言が不適切であると判断した場合には一旦保留になります。
むしろ、「こっちはお金を払っているんだから」などと言われて言いなりにならないで済むように、広告の一般開放を停止したぐらいです。
それでも大きく何かが変わったわけではないので、これからも「この広報担当者の方はどこまで本気なんだろう」と感じることは続くと思いますが、「それはそれで良いか」といいますか、適材適所を行えるかどうかは各個人や各団体の問題なので、Wind Band Pressとしては今のところ「タッチポイントの一つとして活用していただければ良いか」という感覚でいます。
フォーム項目の変更もこの先まだまだ出てくるかもしれません。
Wind Band Pressが(つまり僕が)コントロールできないことについて責任は負えないので、その記事を読んだ人に広報担当者の皆様の熱意が伝わるかどうかは、広報担当者の皆様がどんな情報を送信するかにかかっています。
「一人でも多くの方に自分たちの音楽を聴いてもらいたい」という広報担当者の皆様の思いに、かなり微力ではありますが、少しでもお役に立てれば御の字かなあというところですね。
今のところは、そのような感覚でいます。
それではまた!