こんにちは!
Wind Band Press編集長/ONSAの梅本です。
今週は「初演魔」の異名を取る打楽器奏者の會田瑞樹さんへの「初演」に関するインタビュー記事を出しました。
吹奏楽の演奏会のプログラムの中にも、世界初演、日本初演、といった初演作品から、同じ団体による再演、違う団体による再演、そして「これもう100回以上演奏されてるよね」みたいな再々々々々々々々演みたいな曲まで様々あります。
そして100回演奏される曲がある一方で、初演以降まったく再演されない作品や、出版されたけど初演すらされていない作品(レコーディングを除く)もあります。
やっぱり人気作曲家の人気作品というのは集客も見込めますし、何より自分たちが演奏したいので、再演回数がどんどん上がっていきます。
流行り廃りもあるので、一時期演奏されまくったのに今では「古い」って感じで、ほとんど演奏されないような作品もあるでしょうね。
世の中にはたくさんの曲があって、流行りもあるし、演奏したい曲、ってのもたくさんあると思うので仕方ないかなとは思うのですが、バランスが悪いなと思うんですよね。
人気曲、有名曲をプログラミングするのは全然構わないんですが、その中に1曲でも、まだ自分たちが取り組んだことのない作曲家の作品であるとか、自分たちだけではなく他の団体でも取り上げられることがほとんどない作品というのを入れてみてほしいなあと思う昨今。
「どこそこのバンドがコンクールで金賞とった曲」「どのバンドも一回は演奏してそうな定番曲」とはまた違ったワクワク感が、演奏者にも聴衆にもあるんじゃないかと思うんです。
結果的にそれが世界初演や日本初演になることもあるでしょう。ただ、ほとんどの場合、初演をすることは活動の目的ではないと思うので、あまり演奏されない曲の再演でも良いんです。初演にこだわらなくてもいいとは思います。
僕も学生時代に初演をしたりしていますが、「お手本が少ない作品、お手本がまったくない作品」を作り上げるプロセスは相当に刺激的です。フロンティア・スピリットも爆裂します。自分たちが時代を作っていく高揚感もあります。
今どきはCDではなくてYoutubeで選曲をするのかもしれませんが、それこそ日本で演奏されていない曲や、初演以降まだ再演されていないような曲もたくさんYoutubeにありますよね。
アンテナをしっかり広範囲に張って、知らない曲でもガンガン聴いてみて、限られた演奏機会の中で、1曲でもいいので「他の曲では得られない独特の刺激的なプロセス」を体験してみてほしいなあと思います。
きっと楽しいと思いますよ。